シコウスル森のなかま
仕事・学び・組織の悩みを描く、森の人形劇風アニメ。各話のテーマはnoteで解説しています。
第1話やる気の鈴
秋の終わり、こもれび谷の作業小屋には、冬のあいだの木の実がどっさり届きました。 棚にしまわなければ傷んでしまうのに、「みんなのやる気が出てから」と、なかなか誰も動きだせません。 谷に伝わる「やる気の鈴」を探しに出かけた一行。そのころ、キツネくんだけは、ひとりで箱を運びはじめていました。
第2話近道の立て札
冬ごもりの前の満月の夜、岩長老の広場では灯り祭りが開かれます。 今年の飾りつけは作業小屋の四人の担当。長椅子と灯籠を、二日で広場まで運ばなければなりません。 物知りで近道が大好きなタヌキくんが見つけたのは、薬草畑をまっすぐ抜ける「ちかみち」。 仕事はみるみるはかどりました。けれど、その夕方、キツネくんだけは、ひとりで畑に残っていました。
第3話なんでも削る機械
年の暮れ、こもれび谷では、どの家の「てま札」も新しくします。 作業小屋の組が引き受けたのは百八十枚。手で彫れば十日かかるのに、暮れまでは六日しかありません。 そこへタヌキくんが、下の町から「なんでも削る機械」を借りてきました。 型をなぞれば、十数える間に一枚。仕事はみるみるはかどります。 けれど、木目の読み方を習いはじめたばかりの見習い、アナグマくんの仕事は、板を入れることと、削りくずを掃くことになりました。
第4話運の悪いこと
雪が解けると、こもれび谷では、風見の丘の風見を立て直します。種をまく日を、風に聞くためです。 段取りの得意なリスさんは、朝から籠をひっくり返され、お昼にはトンビにサンドイッチをさらわれてしまいました。 「わたしって、なんて運が悪いんだろう」 けれど、手帳をめくったウサギさんは言います。「運だけでは、ありません」
第5話便利なキツネくん
春の市が近づくと、こもれび谷の作業小屋には、頼みごとが集まります。 水車の羽根板、市の秤、屋台の寸法。キツネくんは、どれにも「うん。夜に、やっとく」。 手伝いを申し出たアナグマくんにも「ぼくがやったほうが早いから」。 けれど市の朝、水車が止まりました。手順は、全部、キツネくんの頭の中でした。
第6話立派な帽子
雨の季節の前に、作業小屋の屋根を葺き替えることになりました。 まとめ役の帽子は、順番でタヌキくんに。「まあ、ぼくなら、うまくやるけどね」。 全部を見て、全部に口を出して、みんなの手は止まったまま。屋根なんて、のぼったこともないのに。 黒い雲が尾根を越える朝、タヌキくんは帽子を脱いで、言いました。「だから……助けて」。
第7話三つのクルミ
秋のはじめ、谷のクルミが落ちはじめました。 西の村のパン焼き小屋から、注文がひとつ。「クルミを、三百」。 拾って、皮をむいて、干して、割って、届ける。帳面をつけるのはウサギさん。「数が合えば、仕事は、合っています」。 ところが帳面の上で、クルミは減ったり、増えたりします。 言葉をひとつに決めて、数は合いました。それなのに、クルミは返されてきました。
第8話引っ越しの順番
晩秋。川下の組から、料理番のハリネズミさんと、力持ちのクマくんが、なかまに加わりました。 八人には小さすぎる作業小屋から、谷の奥の丸太の家へ、初雪の前に引っ越します。 リスさんは仕事を十二枚の札に分けて、すぐ終わる札から、どんどん裏返していきました。 荷物は全部入りました。それなのに、引っ越しの夜、家は寒いままでした。
第9話前の組では
初冬。引っ越しから半月、八人の暮らしの決まりは、まだありません。 台所を任されたハリネズミさんは「前の組ではね」。作業場のウサギさんとリスさんは「ここでは、こうしてきました」。 夕方、鍋のふたの音と事務室の帳面が、同じ時刻にみんなを呼び、クマくんは広間の真ん中で立ちつくしました。
第10話鳴りやまない呼び鈴
冬。深い雪の谷で、丸太の家の呼び鈴が、毎日鳴ります。 屋根の雪、凍った水路、なくした手袋。タヌキくんたちは頼まれるたびに飛び出し、薪割りは「明日、割るよ」のまま。 四日目の朝、薪が尽きました。今度は、タヌキくんとキツネくんが、よその家の呼び鈴を鳴らす番です。
第11話完全にわかった
冬至が近づいていました。アナグマくんは、ハリネズミさんに木の実のスープを教わり、一度でうまく作れました。 「もう、完全に、わかりました」 ところが、谷じゅうの冬至の宴のために、十倍の大鍋で作ることになります。
第12話はちみつの壺
冬の終わり。屋根裏の物置に残ったのは、はちみつの壺がひとつだけ。 ハリネズミさんは風邪の薬に、タヌキくんは谷の寄り合いの手土産に。そして、クマくんは毎晩こっそり、ひとなめずつ。 ウサギさんの刻み棒の刻み目は、日ごとに間が広がっていきました。






